komugi_haru_M’s blog

三浦春馬君への気持ちをただ書かせていただいています🌟

春馬くんの言葉☘️ 記事まとめ3️⃣

 

♢大切にしたい「本人の言葉」~30歳の節目~


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 三浦春馬さんの最後の主演映画「天外者(てんがらもん)」が12月に公開される。三浦さんが演じた役は、幕末から明治に生きた実業家五代友厚。共演者の蓮佛美沙子さんは次のようなコメントを映画の公式サイトに寄せた。

 

「作品の中にいる春馬くんは五代友厚そのもので、何より瞳を覗き込めば、そこに五代の全てが在りました。彼が五代として生きたその時間を、作品を、愛してもらえたらと心から願っています」

 

 五代という役柄と三浦さん自身が重なる部分があったのかもしれない。天外者とは、凄まじい才能の持ち主という意味。志と熱意で激動の時代を生きた人物として描かれているという。

 三浦さんも才能やルックスに恵まれただけでなく、努力の人でもある。特に20代半ばからは、演じる役の幅を広げ、殻を破ろうとしていたようにみえた。何を見据えて、どのように努力を重ねていたのか、三浦さんの発言から振り返りたい。

 子役出身の三浦さんは、10代半ばまでは演じることがただ楽しかったのだという。その心境に変化が現れ始めたのは20歳ごろ。連続ドラマ「陽はまた昇る」に出演し、映画「東京公園」が公開された21歳のときには、過去を冷静に振り返り、自分の中の変化の兆しについて言及していた。

 

三浦 「以前は感覚でやっちゃったり。あんまり考えずに、監督が言うことを消化してパッとやっちゃえばいいやみたいな時期もあったんです。でも、作品の扱うテーマがむずかしくなった分、役と向き合う時間が増えました」(サンキュ! 2011年8月号/21歳)

「ここ、一、二年くらい自分の中で役のビジョンをはっきりさせることを意識するようになってきました。監督から“ここはどう思う?”って聞かれる機会が増えたからからなのかもしれません。聞かれたらそれに答えたいじゃないですか」(non・no  2011年8月号/21歳

 

 周囲の期待に、素直に応えたい。そんなまっすぐな気持ちが役者としての成長のきっかけだったようだ。

 役に真摯に向き合うほど、オファーは絶えず、多忙を極めた。2013年は、連続ドラマ「ラスト・シンデレラ」で主演の篠原涼子さんの相手役を務め、映画「キャプテンハーロック」では声優に初挑戦、映画「永遠の0」も公開された。

 

三浦 「成長したい気持ちが高まっているんでしょうね。過去に歯がゆい思いをしたから、あんな深い演技ができるんだ……って想像を膨らませながら先輩たちの貴重な経験談や苦労話を聞く時間がいちばん楽しいんです」(MORE  2013年10月号/23歳)


 三浦さんほど容姿に恵まれていると、若いときにはどうしても「イケメン」「さわやか」な役が回ってきがちだ。華があるのは強みといえるが、それに甘んじていたら役者としての進路を狭めてしまう。それを三浦さんは早い段階で気が付いていたことがわかる。

 

三浦 「今まで“さわやか”な役をたくさんいただいて、それはすごくうれしいです(笑)。でも、それだけの人にはなりたくないし、これからもっといろんな顔を見せていきたい。悪役もやってみたいし、暗ーい役とか、どはまりしそう(笑)」(LEE  2013年12月号/23歳)

 

 20代前半は、変化を求める一方で、成長のために具体的に何をどうやったらいいのか、やるべきことがいま一つ見えないもどかしさもうかがえる。

 

三浦 「でも、何をどうっていうのは、僕を含め、まだ見つけられていない人も多いはず。だからこそ、いろいろなことに出会って、変っていくことが必要なんじゃないか。自分の芝居にしても、“これでいい”って満足したら、あとは他をけなすばかりになってしまう。それってすごく悲しいこと。出会ったことにしっかり向き合って、自分を変えていければ成長できるし、自分のやるべきことも見えてくると思うんです」(With  2014年1月号/23歳)

 

 しかし偶然にも23歳の夏、運命の「出会い」を果たしていた。ニューヨークでブロードウェーミュージカル『キンキーブーツ』を観賞。主人公のドラァグクイーンのローラに魅せられ、「いつか絶対にローラを演じてみたい」と強く思ったという。

 その3年後に実際、三浦さんは日本人キャスト版でその役を射止めている。公演前のインタビューでは、23歳の自分の気持ちをふりかえっていた。

 

三浦 「素晴らしい楽曲はもちろん、特に惹かれたのは(中略)ローラでした。たぶんその背景には、俳優として幅を広げるために、ちょっと特殊な役どころを演じてみたいという僕自身の気持ちがあったんだと思います」(PHPスペシャル 2016年8月号/26歳)

「俳優として幅を広げるために、今まで演じたことのない役にもトライしてきたい。そんなふうに考えていた2013年の夏、ニューヨークのブロードウェイで『キンキーブーツ』に出会ったんです。(中略)ローラというキャラクターの圧倒的な存在感に心を射抜かれてしまって。(中略)もしいつかこのミュージカルの日本版が上演されることがあれば、絶対にローラをやりたい、誤解を恐れずに言えば、やらなきゃいけないと思いました」(MORE 2016年8月号/26歳)

 

  ローラは、さわやかなイケメンというそれまでの三浦さんのイメージを覆す役柄。ところが、それが当たり役となった。初演は2016年。舞台上では15センチのヒールのブーツをはきこなし、ボディラインを強調したきらびやかな衣装に身を包んだ。そして、衣装に負けないくらい豊かな表情をみせて、7キロ増量して鍛えた野太い声を操り、ときに力強く、ときに繊細に歌い踊った。

  三浦春馬版ローラは観客の心をとらえたのはもちろん、読売演劇大賞杉村春子賞と優秀男優賞を受賞。役者人生の転機となった。2019年の再演時に、初演時の心境を次のように語っている。


三浦 「とても幸せで、特別な毎日でした。物語や音楽が持っている力が、観に来られたかたや演者の気持ちを高めてくれるんです。毎回がチャレンジで、辛いと思ったことはありませんでした」(家庭画報 2019年2月号/28歳)

「ローラという役の魅力は、自分を貫く強さの裏に、脆くて繊細な部分があるところ。そのセンシティブな心の機微を、感情を歌に合わせなければいけないミュージカルで見せていく難しさを、初演ではまざまざと実感しました」(同)

 

  もう一つ、転機となった舞台がある。時系列が前後するが、キンキーブーツの初演の前年2015年に上演された「地獄のオルフェウス」だ。映像のみならず舞台でも定評のある女優・大竹しのぶさんと共演し、初めて外国人演出家と作り上げた作品だ。

 

三浦 「表現を面白くするためには、熱量やセンスだけじゃなくて技術も大切なんだなって思うようになりました。(中略)がむしゃらなだけでいい時期は終わったなって思うようになりました」(ダ・ヴィンチ 2015年5月/25歳)

「もっと自分はできそうだと、勇気をくれた作品(『地獄のオルフェウス』のこと)ではあります。もっと貪欲に芝居を突き詰めればより多くの心人を動かせるんだと坂の上で感じましたし。(中略)やっぱりいいものに触れると成長が早い気がする」(週刊女性 2018年11月13日号/28歳)

 

 このときに何かを掴めたのだろう。「キンキーブーツ」の初演前には、自信を持って、進むべき道が見えてきたと話している。

 

三浦 「昔はエネルギーに任せて、もっと漠然といろいろなことをやっていた感がありました。(中略)目標に対して自分がやるできことがはっきり見えるようになってきました。(中略)目的や課題がはっきりしている今の方が効率よく学べていると思うし、そこに向ける熱量も増している気がします」(PHPスペシャル 2016年8月号/26歳)

 

  三浦さんはローラを演じるために、ニューヨークでヴォーカルレッスンを受け、日本に帰ってきてからも夜な夜な自宅で練習を続けたという。こうしてひとつひとつ積み上げていく努力の仕方を覚え、それによって演技力が培われていった。海外の作品にも出てみたいと語り、英語の習得にも熱が入るようになる。

 

三浦 「いろいろなスキルを身につけて自分の幅や可能性を広げていかないと、俳優としての需要もなくなっていくだろうなという思いはあります。(中略)大好きなこの仕事を続けていくためにも、今後も新しいことにどんどん挑戦するつもりです」(同)


 需要がなくなるどころか、2016年は、「キンキーブーツ」の前にはドラマ「私を離さないで」に出演し、後の2017年には大河ドラマおんな城主 直虎」に出演と仕事の忙しさは増していった。そんな中、2017年にイギリスに短期間留学。自分を見つめなおす貴重な時間だったようだ。後に次のように振り返っていた。

 

三浦 「ゆったりとした時間を過ごすことで、自然と視野が広がって、新しい発見もできました。休息の時間も有意義なものなんですね」(婦人公論 2019年10月8日号/29歳)

 

  若手実力派として周囲からも認められ、自身も手応えをつかんだ20代後半。このころから、30歳以降を意識した発言が増え始める。次のステップを見据えていたように思える。

 

三浦 「僕、あと2年で30歳になるんです。ここは分岐点ですね、かなりの。たとえるなら、いまひとまず、とある小さな村に着いて、ここからの長旅に備えてピッケルとかいろいろな道具を一生懸命集めている、そんな状態で。怠るとひどい目に遭うぞ! という心づもりで挑まないといけないな、と最近つくづく思いますね」(女性自身 2018年10月9日号/28歳)

「最近は発声も変わってきたし、知識欲も出てきて語学の勉強を少しずつ続けています。その積み重ねが将来、胸を張って表現できる役者へのステップになる。(中略)いつか振り返ったとき『よくがんばったな』と思えるぐらいまでやりきりたいですね。」(家の光 2019年2月号/28歳)

 

  さらにこのころの大きな変化としては、仕事において自分自身の努力も大切だが、「助け合い」も必要だという趣旨の発言が増えたこと。例えば、MCを務めるNHKの番組「世界はほしいモノにあふれてる」についてのインタビュー。心がけていることとして、ゲストへ毎回こんな声かけをしていたという。

 

三浦 「ゲストであるバイヤーさんに『この番組は“収録”だから、もし失敗しても言い直しができるので、緊張しなくても大丈夫ですよ』と声をかけています。これは、毎回、必ず、僕からお伝えします。(中略)経験上、共演者からそうしたひと言があるのとないのとでは、全然気持ちが違うんですよ。だから、この番組では、MCである自分の役割だと思っています」(ステラ 2019年4月12日号/29歳)

 

  また、相手に手を差し伸べるだけでなく、自分から相手に心を開くようにもなったとも明かしていた。

 

三浦 「どうすればお互いが寄り添った形でいい方向に持っていけるかってことを、怖がらずに話せるようになったと思う。スタッフともよく話し合いをするようになりました」(週刊女性 2018年11月13日号/28歳)

「助け合うことによって生まれる、人の成長があると思うんです。実はそれが意外と重要なことなんじゃないかなと。だから最近、僕は助けてもらうことを恐れず、共演者やスタッフの方の胸に飛び込んでいくことが多いです」(からだにいいこと 2019年10月号/29歳)

 

  自己研鑽に励みつつ、いい感じで力が抜けてきたように見えた三浦さん。20代最後の年となった2019年は、舞台「罪と罰」、キンキーブーツの再演、映画「アイネクライネハナトムジーク」の公開、ドラマ「TWO WEEKS」に出演などを通して、駆け抜けるように過ぎた。本人が望んだペースよりも、慌ただしかったのではないだろか。

 ミュージカル俳優としてブロードウェイの舞台に立ちたいという夢を明かしていた三浦さんだが、30歳を目前にして、俳優として今一番興味があることを聞かれ、こんな発言を残していた。

 

三浦 「変に思われるかもしれませんが、よりよく生きること。いろいろな意味でよりよく生きれば、日々のマインドも波風立てられずに、仕事でもしっか自分の役目を果たせるんじゃないかなと思うから」(週刊女性 2020年1月1日号/29歳)

 

  よりよく生きること。三浦さんは30年という短い人生の間に、きらめくような言葉を残していた。出演作品とともに、これらの本人の言葉も生きた証として覚えてきたい。次回は、恋愛をテーマにふりかえる。(AERAdot.編集部)

 


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